長いお別れ

新年一冊目。幸先の良いスタート。暮れの『高い窓』と同じレイモンド・チャンドラーの作品。タイトルだけは知っていたけれど、フィリップ・マーロウシリーズなことも作者名も知りませんでした。お恥ずかしい話です。
マーロウが妻(富豪の娘)殺しの嫌疑を掛けられ自殺した(自殺も胡散臭い)の友人の無実を証明する破目に陥るお話。
マーロウ君、素敵。『高い窓』の数十倍魅力満載。
そりゃ、他所の作家さんがタフガイの探偵の例として挙げるはずだわっていうカッコよさ。

冒頭のテリー(件の友人)とマーロウの出会いがいいんですよ。雨の日にうっかりやせた野良猫拾っちゃいました、的なね。そこでぐぐっと(うっかり萌えたりとかしながら)引き付けられるんです。偏屈なお人よし。
テリーを逃がす辺りとか、警察に拘留される辺りとか、カッコいいよう。

最後のほうに年齢が出てくるんですが、それまでは『高い窓』の言動のイメージで勝手に二十代だと思ってました。若造君が頑張ってるイメージで。そうだったとカッコいいんですが、年齢を知って思い返すと無茶苦茶渋い。42であんな台詞が言えて、あんなこといえるのは凄い。しかもそんな風にしか生きて来れなかったんだろうなっていうのも、渋いぞ。
ナイスオヤジっ。
年明け早々素敵ヲヤジを堪能できてシアワセ。

後半もマーロウ君の魅力満載なんですが(言動に”うっ”て涙ぐみました)、ミステリってこういうのなんだ〜(感嘆)という凄さにくらくらです。酔いしれます。酩酊します。
スリリングとかエキサイティングとかそういう単語ってこういう本のためにあるんだね。
(未読の方の為に数行打つも思い直して削除、かなり暈したけどそれでも知らないほうが絶対楽しい。とにかく読んで欲しいんで)

<<レイモンド・チャンドラー(清水俊二)『長いお別れ』早川書房 1976>>

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