『フラッシュ 或る伝記』

散歩していたら脳裏にふと「ヴァージニア・ウルフなんかこわくない」というフレーズが浮かんだ。何かのタイトルだったように思うが、それが小説か舞台か映画か漫画かさっぱり思い出すことができなかったが、ヴァージニア・ウルフが作家名であることは覚えていた。
どんな作品があるのかと図書館で検索してみたると、映画「オルランド」の原作者であるらしい。映画は印象に残っていたが、小説が原作だったとは知らなかった。
著作リストの中から適当に一冊選んだのがこの本。

女流詩人エリザベス・バレット・ブラウニングに飼われていたフラッシュという名のコッカースパニエルの伝記。
カバーにはブラウニングの伝記とあるのだが、犬の伝記として読んだほうが面白いように思う。

『吾輩は猫である』の犬版といえなくもないが、犬の主観で周囲描かれるというよりも、犬そのものを描いている。
嗅覚に関する描写が多く、その言い回しがとても犬らしい。
小学生のときに国語の課題に“身近なモノ(非生物もしくはホモサピエンス以外の動物)になりきってその視点で作文を書け”というのがあったことを思い出す。

フラッシュが健気で振る舞いが愛くるしい。
犬飼さんたちがコンパニオン犬に求める要素のすべてが凝縮されている。

<<ヴァージニア・ウルフ(出渕敬子訳)『フラッシュ―或る伝記』 みすず書房 1993年 >>

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