花祭り
投票日は何故だか気が重い。
散々行こうかどうしようか(結局のところ行くのだけれど)迷う。
たいていあっという間に終わるのだし、投票所だって徒歩三分とかからないような近所だし、用紙に書き込んでぺっと箱に入れればいいだけなのだし、候補者のフルネームを覚えていなくても漢字を忘れても記入所のブースの衝立にきちんと全員分政党までしっかり張り出されているから何も問題はないのだけれど、できることなら行かずに済ませてしまいたいなと思ってしまう。
投票を呼びかける町内放送が掛かるたびに責められているような気分。
ママに「宿題はもう済んだの。テレビばかり見ていないで勉強しなさい、試験近いんだからしょうがないわね」と言われているような、今やろうと思ってたとこなんだから放っておいてよ言われたらやる気無くなったじゃんという気分。
選挙の度に他人事ではないのだけれどとても他人事な、モラトリアムのどん尻で味わうような遣る瀬無さを感じて疲れてしまうのです。
昼過ぎに重い腰を上げて投票を済ませて、そのまま家へは戻らずに後から投票所にやってきた母と散歩。
谷へ下って花盛りの不動尊へ。
このところ身内が床に伏せ世を去ったの気ぜわしく、冬の寒さも例年ほどではなく慌しく一時にあれやこれやと花が咲いたので、今がいつだか解らない有様だったが、いつの間にかやら潅仏会。
小学生の時分には、例年始業式の後に祖母と兄と連れ立って不動詣でに行ったものだが母と来たことがあったろうかと思い巡らし、あれやこれやずいぶんと昔のことになってしまった出来事などを思い出す。
今は行われなくなってしまった植木市で兄が買い枯らしてしまった果樹は何の苗だったか。谷間の休耕地の今は資材置き場となっている小さな平地に建てられる舞台で祖母が踊ったことがあったかどうか。どれも記憶は曖昧であやふやだ。
ゴルフ場の建設で枯れてしまった沢のどの辺りに土筆が生え柔らかな芹が生えたか、どの茂みの向こうに山蕗が生え蕨が萌え、山桑が葉を茂らせるか、そんなことばかりが今はすっかり変わってしまった地形の上に当時の目の高さと歩数で思い起こされる。
帰路、通りがかりに挨拶を交わした農家の方に菜花の若くつぼみの開かない柔らかいものを片手では掴みきれぬほど頂く。
お勧めに従ってからし醤油で。
散々行こうかどうしようか(結局のところ行くのだけれど)迷う。
たいていあっという間に終わるのだし、投票所だって徒歩三分とかからないような近所だし、用紙に書き込んでぺっと箱に入れればいいだけなのだし、候補者のフルネームを覚えていなくても漢字を忘れても記入所のブースの衝立にきちんと全員分政党までしっかり張り出されているから何も問題はないのだけれど、できることなら行かずに済ませてしまいたいなと思ってしまう。
投票を呼びかける町内放送が掛かるたびに責められているような気分。
ママに「宿題はもう済んだの。テレビばかり見ていないで勉強しなさい、試験近いんだからしょうがないわね」と言われているような、今やろうと思ってたとこなんだから放っておいてよ言われたらやる気無くなったじゃんという気分。
選挙の度に他人事ではないのだけれどとても他人事な、モラトリアムのどん尻で味わうような遣る瀬無さを感じて疲れてしまうのです。
昼過ぎに重い腰を上げて投票を済ませて、そのまま家へは戻らずに後から投票所にやってきた母と散歩。
谷へ下って花盛りの不動尊へ。
このところ身内が床に伏せ世を去ったの気ぜわしく、冬の寒さも例年ほどではなく慌しく一時にあれやこれやと花が咲いたので、今がいつだか解らない有様だったが、いつの間にかやら潅仏会。
小学生の時分には、例年始業式の後に祖母と兄と連れ立って不動詣でに行ったものだが母と来たことがあったろうかと思い巡らし、あれやこれやずいぶんと昔のことになってしまった出来事などを思い出す。
今は行われなくなってしまった植木市で兄が買い枯らしてしまった果樹は何の苗だったか。谷間の休耕地の今は資材置き場となっている小さな平地に建てられる舞台で祖母が踊ったことがあったかどうか。どれも記憶は曖昧であやふやだ。
ゴルフ場の建設で枯れてしまった沢のどの辺りに土筆が生え柔らかな芹が生えたか、どの茂みの向こうに山蕗が生え蕨が萌え、山桑が葉を茂らせるか、そんなことばかりが今はすっかり変わってしまった地形の上に当時の目の高さと歩数で思い起こされる。
帰路、通りがかりに挨拶を交わした農家の方に菜花の若くつぼみの開かない柔らかいものを片手では掴みきれぬほど頂く。
お勧めに従ってからし醤油で。

