いろは双六屋 明烏

080509明烏

17冊目はなんとなく手に取った時代物。訳ありの人のばかり世話する口入れ屋の若旦那・伊之助が、泥酔状態で遭遇した医者の殺害死体遺棄事件を嗅ぎ回りつつ仕事先を世話した人の面倒も見ているうちに思いのほかオオゴトに・・・というおはなし。
六道慧ってSFだったかオカルトだったかホラーだったか書いてませんでしたっけ?ジュヴナイルの人というイメージでした。時代物、かいてたんですね〜。

ママが怖くて友人宅でこっそり盆栽を育てる同心とか、自称噺家を目指す幇間とか、何でも察して腕っ節の強い元武士とか、天邪鬼な噺家とか、面白い人たち満載。
有楽師匠と浜吉の追いかけっこのくだりは笑い転げました。

途中に入る吉原観光ツアーは、○○殺人事件に大抵あるご当地観光シーン(やたらと詳細)みたい。登場人物目線なので歴史散歩関連のよりもイメージが掴みやすくてお買い得。

<<六道慧『いろは双六屋 明烏』徳間書店2006>>

悪魔が来たりて笛を吹く

16冊目は例によって、タイトルは知っているけれど読んだことのない本を読んでみようシリーズ。横溝正史の『悪魔が来たりて笛を吹く』。
タイトルが何かのコントだったかギャグ漫画だったかのネタに使われていたという記憶が薄っすらと・・・。何だったんでしょうあれは?パタリロだったかなぁ・・・少年漫画だったような気もするしVTRだったような気もするし、活字だったような気もしなくもない。

横溝正史はオドロオドロしいイメージがあって、手が出せませんでした。小中学生の頃にそういうイメージが定着したものは未だに手を出すのが躊躇われます。
ルブランとかね。ルパンシリーズのジュニア版の装丁が不気味だったので未読。
学生時代に嗜好が激変したのですが、その時期に不気味だと思い込んだものは避けて通ってきました。

読んでみると文章も事件も結構あっさり味。
それよりも当時は“機関銃で・・・”とか“いつの空襲で・・・”が季節や天気の話題の用に雑談のネタになっていた、という描写に驚いてました。

先月は何でだか『ケイゾク』を見てみたくなって、DVDを借りて観ていたので、仮説のあれやこれやのパートは堤演出風でした。
黒の全身タイツに白抜きで「犯人」とか書いてあるアレ。勿論効果音つきで。

<<横溝正史『』角川書店>>

しゃばけ

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15冊目。先日読んだ『ちんぷんかん』のシリーズ第一作目。

失敗しました。読む順番を間違えた…
『ちんぷんかん』は『しゃばけ』のあそこはどうなんだろうに応えてくれる本だったのですね。先にそっちを読んじゃってました。
あんなことからそんなことまでガッツリとネタバレ。
一度目なのに再読の気分。
仕掛けも裏もあらかた承知してるので、ドキドキ感は半減どころか四分の一ぐらい。
それでも充分楽しかったのでいいのですが、まっさらな状態で読みたかった。
楽しいだけに余計、ね。

若旦那は一太郎さん。
兄さんがいるけれど一太郎さん。
モラトリアムっぷりが良い。

一冊目だと鳴家は「きゅわわー」とか鳴いていませんでした。
結構普通にしゃべる。きっと巻を重ねる毎にキャラが立っていくんだろうね。
白沢と犬神は最初から若旦那お大切でしたが。

小僧佐助の“クワッ”ってやるのはさぞ可愛かろうとおもう。
その可愛らしさに勢い余ってイロイロぐるぐるしてました。
人に化けてない時は、やっぱり束帯とか狩衣っぽい服を着た獣人なんだろうか?
それとも斑もぐらなんだろうか?
中途半端に化けて犬耳犬尻尾とか出るんだろうか?
月代+髷に犬耳はどうなるんだろう。
耳を避けて髪を後ろに持ってゆくのか?どうしたらいいんだ?

<<畠中恵『しゃばけ』 新潮社 2001>>

高慢と偏見(下)

14冊目。高慢と偏見(下)はダーシーのデレパート。どうしちゃったのってくらいデレデレです。寧ろ尽くします。

いじけたハリネズミのようだったダーシーが一転、爽やかな振る舞いと鬱陶しいくらいの親切さ。別人に豹変です。
上巻の偏屈で可愛らしい高慢ダーシー氏は何処へ?

ビングリーは上巻の半ばにロンドンへ行ってからほぼフェイドアウト。
彼がネザーフィールドに帰ってくるとジェーンまで巻き込んで書割の様な存在に。
お話の展開上の駒として出てきてますって扱い。
それとは対照的にやたらと濃いのがミセス・ベネット。
いてもいなくても筋にはほぼ関係ないのに矢鱈と濃い。
じっくりと味が出てます。
ある意味イイ味。

ダーシーとビングリーの関係は不思議です。
ダーシーがビングリーをコントロールしている。
しかも、割と身近な第三者もそれを認識している。
関与しているのはジェーンとの一件だけではないらしい。
ダーシー→ビングリーのコントロールはなんとなく解る気がするんですが、(ダーシーの幼児性はかなり高い)
ほいほい言うことを聞いているビングリー氏はかなり謎。
イイヒトなのか何も考えてないのか、身分とか何かがあって頭が上がらないのか。
ビングリーの内面がどろっとしてたら面白い。
××シアに行くまでをビングリー視点でドロドロととかあったら面白そう。
誰かそんなファンフィクション書いてないかなぁ。

読む前はもっとどろどろしたお話なのだと思っていたのですが、結構あっさり味。
下巻は特に少女漫画とか少女小説とかそんな感じ。
ラストの数十ページはなんだか『ハウルの動く城』の原作のラストを思い出しました。
姉妹で片付き先(玉の輿)が決まるからなんでしょうか。

<<ジェーン・オースティン(富田彬)『高慢と偏見〈下〉 (岩波文庫)

鬼平犯科帳(二)

このペースで目標の100冊を達成できるのか不安な13冊目。

一巻で気に入ったキャラがほいほいフェードアウトしてしまって寂しかったところで、木村さん登場。
いいヘタレっぷりです。
あだ名がいい。
兎忠。
うさちゅー
惚れっぽいのに結構ドライ。
次巻以降にも登場してくれるんでしょうか。
後、粂さんも。
一巻目がアレなので、殉職とか異動とか逃亡とか流行り病とかありそうで不安。

ラストで季節の話題がでたときの空気感がいいです。
お頭は美味しい所取り。

<<池波正太郎『鬼平犯科帳 新装版(二)』 文芸春秋(文春文庫)2000>>
鬼平犯科帳〈2〉 (文春文庫)

鬼平犯科帳(一)

12冊目。ずっと気になっていたけれど、手に取る機会のなかったおなじみ時代劇「鬼平犯科帳」の第一巻。池波正太郎作品も初体験。

一行目を読んだ段階で矢鱈にテンションが上がる上がる。
文章が格好いい。
テンションが上がりすぎてはじめの2〜3頁はなかなか読み進められませんでした。
数行読んで止まって妄想。
映像捏造装置フル稼働。
三日くらい遊んでました。

そんな訳で十蔵がお気に入り。
虚無僧に変装ですよ。尺八吹くんですよ。
冒頭から出てるしレギュラーなのかと思いきやあんなことに…

岩五郎さんカッコいいぞ。
オヤジキャラ好きの血が騒ぐぞと思ってたら二話目でそんなことを…
がっくりです。

鬼平は、ドラマを殆ど見ていないので、活字のみのイメージだと十八代目の中村勘三郎。
絵的に笑ったときの頬っぺたの辺りがそんな感じ。
そんな訳で平蔵の台詞は時代劇に出演しているときの中村勘三郎の口調で。

ご長寿なシリーズモノなのでこの先ものんびりと楽しもうかと。

<<池波正太郎『鬼平犯科帳〈1〉 (文春文庫)』文芸春秋 2000>>


高慢と偏見(上)

11冊目。田舎の資産家のお嬢さんがいかにして名家のツンデレ君と引っ付いたかというお話。
上巻の真ん中まで主役がジェーンだとおもってました。そしてビングリーをジェーンとダーシーとで取り合っているのかと…泥沼昼の奥様劇場みたいになるんだとばっかり。
上巻のダーシー君は兎に角可愛いです。
トゲトゲしていて高飛車な人見知り。
限りなく上から目線。
プロポーズの長台詞は喝采モノにジコチュウ。
同年代の子と接しないで育った一人っ子の五歳児が始めてオトモダチの中に放り込まれましたとか、生まれて初めて他の猫と出会った飼い猫(成猫)とかそんな感じ。

ジェーンとエリザベス以外の女性キャラクタが話し出すと兎に角長い上に何を言っているのかてんで解らない。文字を目で追うのが精一杯。目を凝らさないとどんどんすべる。凝らしてみたところでこの人は今興奮状態にあって喜んでいるんだなとか、相手に何かを要求していいるんだなとかがおぼろげに伝わるだけなので、斜めに読むのとたいして変わりはない。彼女らの台詞が要領よく簡潔だったら格段にページ数が減っていると思う。
オバサン達の会話ってそうだよな〜とそんな所に感心してしまいました。


<<ジェーン・オースティン (富田彬)『高慢と偏見〈上〉 (岩波文庫)』 岩波書店 1994>>


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